奏多、学生
最近では、「演技の練習は無駄!養成所には行くな!行くならワークショップ!SNSでフォロワー増やせ!」と言う方々もいます。
確かに、理由を聞くと納得するし、その考えもありだなとは思います。
しかし私は、この方法で声優になれたとして、役者として胸を張って仕事が出来なさそうなので、やはり養成所に通うべきだと思います。
そこで、日向先生はこの養成所に行かない考えをどう思いますか?
また、現代では養成所に「通う」もしくは「通わない」どちらの方が良いと思いますか?
(私はまだ養成所に通っておらず、演技は未経験です。)
《上の考えの理由》
・演技は現場で学んだ方がはやいため、養成所に行くのはお金の無駄だから。
・ワークショップに行って人脈作って、はやく作品に出た方が良いから。
・フォロワーが多い=ファンが多い=その役者を使えば多くの人が作品を見てくれる
結果、フォロワーが多い人はオーディションに受かりやすいから。
などなど…
最後まで読んでいただきありがとうございました。
あいり、19歳女
はじめまして。よろしくお願いします。
最近よく、専門学校や養成所に通うのは時間とお金の無駄みたいなことを少しだけだ聞きます。私自身、演技経験がなく、大学生なので、専門学校の夜間のコースに通おうと考えているのですが、これは無駄なことなのでしょうか?また、SNSをやっていて、ファンや応援してくれる人を増やして行かないと声優にはなれないのでしょうか?
拙い文章で伝わりにくかったら申し訳ないです。
N、13才女
『その人によります。』
紙とペンを用意して、次の質問に答えてね。質問がたくさんあるけれど、本気でプロになりたい人は絶対に全部書いて答えてください。
①どんな声優になりたいのか?声優になって、何がしたいのか?
(例 アイドル声優になりたい。吹き替えの仕事で、芝居をしっかりやりたい。など)
②そのためには、どんな勉強が必要か?
(例 アイドル声優なら、歌を勉強する。メイクを研究して容姿を磨く。吹き替えなら、舞台に立って演技力を磨く。など)
③その勉強をするためには、どういう行動を起こすべきか。
(例 ボイトレに行く。舞台のオーディションを受ける。養成所に行く。など)
④今やれることは何か?
(例 養成所を徹底的に調べる。ボイトレのスクールを調べる。アルバイトで○○円貯める。など)
⑤1年後の目標
(例 養成所の査定で残る。など)
⑥3年後の目標
(例 事務所に所属して、現場に出ている。など)
⑦5年後の目標
(例 アニメで主役をやっている。など)
⑧10年後の目標
(例 レギュラー番組を5本抱えている。など)
⑨それぞれの目標を叶えるために必要な行動を具体的に書いてください。
(例 査定で残るためには、発声が弱いので、発声を学べるスクールに通う。アニメで主役をやるためにはオーディションに受からなければいけない。そのために、自分の魅力を徹底的に研究する。など)
⑩なぜ声優になりたいのか?他の仕事ではなく、声優でならなければいけない理由はなにか?
(例 人に影響を与えたい。でも影響を与えるのならば、他の仕事でもできるかもしれない…。アニメが好きだから。でも、アニメーターでなく声優を選んだ理由はなんだろう?考えてみよう。など)
⑪自分が声優としてやっていくために、武器となるものは何か?
(例 容姿が良い。映画をたくさん知っている。歌を小さい頃から習っていた。ダンスが得意。など書けるだけ書く。)
⑫話題になるような特技や趣味はあるか?
(例 ゲーム実況をしている。外国語がペラペラ。など)
⑬声優になるために、今から意識してやっていることは何か?
(例 毎日読書をしている。映画をたくさん見ている。身体を鍛えている。など)
⑭事務所に所属したあと、仕事を勝ち取るために、どんな努力をしていこうと考えているか?
(例 ワークショップやマンツーマンスクールに通ったり、舞台をたくさん見て、周りと差をつけるために芝居の研究をする。毎日自撮りをして、SNSにアップしてファンをつけたり、容姿の研究をする。など)
⑮ずっと努力と研究をし続けられるくらい、声優になりたいか?声優になってからも引退するまで、継続して鍛錬していけるか?
(例 無理かもしれない…。はい、絶対やり続けます!など)
なかなかに大変な作業だと思うけれど、絶対にやってください。
今まで、生徒さんの話を聞いたり、たくさんの声優志望者から相談が来たりして感じたことは
声優になって人気者になっている自分の想像だけをしていて、そこにたどり着くための道筋を具体的に考えている人が少ないこと
今やらなければいけないことが明確に見えていないこと
養成所に行けば、声優になるためのすべてを教えてもらえると思っている人
事務所に所属さえすれば、プロとしてすぐにやっていけると思っていること
養成所は、声優になるために必要なことを全て教えてもらえる場所ではありません。
養成所で教わったことを、普段、自分でいかに研究して成長につなげていけるかが大事なんです。
受け身で教わっていても、声優にはなれません。
ただ、前にも話しましたが、事務所に所属するまでならば、皆さんが思っているより高い確率で所属できると思います。
もちろん大手の事務所は難しいです。ですが、小さめの事務所や立ち上げたばかりの事務所ならば、入れる確率は低くはありません。
なんといっても大変なのはそこから先です。
オーディションに受かること
仕事を取ること
継続して仕事をもらっていくこと
事務所に所属するというのは、やっとスタートラインに立っただけなんです。
事務所に所属=声優になれた
これで声優として華々しく活動していける!
と考える人がとても多いです。
そんなに甘くはありません。
うちのスクールも、事務所に所属してからも継続して通う人が多いですし、所属してからなかなか仕事に繋がらず、実力をつけるためにと申し込んでくる人も多いです。
事務所所属後、どんな声優になって、どんな努力と研究をしていけるか?
その努力と研究自体が楽しめるかどうか?ちゃんと自己鍛錬ができるかどうか?
がかなり重要になってきます。
話が長くなったけれど、今日もらった質問や相談は、それぞれさっきの15個の質問に答えてくると見えてくるんじゃないかなと思います。
奏多さんは自分で答えは出せているみたいなので、あとは15個の質問に答えてもらって、しっかり自分の意志を固めてもらえたら嬉しいな。
正解か不正解かはっきりと分かれる物事は、案外少ないんです。
大事なのは、情報収集をしっかりとして、自分がどう考え、どれを選択するのか?
自分に合ったベストな選択をできるよう頑張って!応援しています!
コメントを残す