- 1. はじめに:AIに演技を評価してもらっているという話を聞いて
- 2. AIが見ているのは「喋れているかどうか」
- 3. 芝居で大事なのは、見えない“気持ち”が届くかどうか
- 4. 「合格ライン」は1つじゃない。だからこそ、見極める力が必要
- 5. 経験と理論、どちらもある人から学んでほしい
- 6. AIは“平均”を目指す。だから、個性は削られてしまう
- 7. 自分の演技を判断するために、“耳”を育てる
- 8. やってみたこと自体は素晴らしい。でも、芝居の判断は別
- 9. 最後に:演技は“耳”で育つ。そして判断は人間のもの
- 10. AIは「判断する存在」じゃない。“思考を深める壁打ち”として使っていく
- 11. YouTube「ひなたの教室」
はじめに:AIに演技を評価してもらっているという話を聞いて
先日、YouTube「ひなたの教室」の生配信で
「自分の演技をAIに評価してもらっている」という方の話を聞きました。
AIの進化もあって、「使ってみよう」と思う気持ちはよく分かるし、
自分なりに工夫して学ぼうとしていることは、とても前向きだと思います。
ただ、それを聞いて私は正直に、
「演技に関しては無理があるんじゃないかな......」と感じました。
実際にAIにセリフの音源ファイルを読み込ませて評価してもらったのですが、
まだ学び始めた初心者の演技に対して、
「丁寧で聞き取りやすい」
「滑舌も問題ない」
「落ち着いたトーンで安心感がある」
といったベタ褒めの評価が返ってきたのです。
AIが見ているのは「喋れているかどうか」
AIが判断しているのは、“日常会話として成り立っているか”というようなレベルであって、
演技の中で「伝わっているかどうか」や「感情の深さ」が評価されているわけではありません。
- 日常会話レベルの滑舌が明瞭か
- テンポが整っているか
- 抑揚に極端なズレがないか
そういった形式的な部分がクリアされていれば「良い」とされてしまうんですね。
でもそれって、演技の本質とは違う。
AIは、プロの声優レベルとしての滑舌や伝わり方までは判断してくれないんです。
芝居で大事なのは、見えない“気持ち”が届くかどうか
演技で本当に必要なのは、
そのセリフが“どんな気持ちで発せられているのか”、
“相手との関係性の中で、どう響いているのか”という部分です。
- 言葉にする前の“心の動き”
- 呼吸や間ににじむ感情の流れ
- 言葉の下にある本当の意図や感情
そういったものが伝わってくる芝居は、
聞いていて心を動かされるし、説得力があります。
でもそれは、AIには感じ取れません。
「合格ライン」は1つじゃない。だからこそ、見極める力が必要
演技の世界には「これができたら絶対合格」という決まりきったラインはありません。
- 声が小さくても、ウィスパー気味の息の混じった声が魅力になる人もいる
- 滑舌が甘くても、子どもっぽさやリアルさが出てハマることもある
つまり、“基準”は一つじゃないんです。
でも一方で、「どんな演技が現場で通用するか」「どこまで仕上げれば武器になるか」という“判断の軸”はたしかに存在しています。
だからこそ、それを知っている人からの指導が大切なんです。
経験と理論、どちらもある人から学んでほしい
現場を知っている講師は、
「いまの現場では何が求められているか」「どんな芝居が選ばれているか」を、体感で知っています。
そしてもう一つ。
演技を“教える技術”として学んできた人の存在も大きいです。
たとえば、ONE to ONEスクール代表の日向先生は、アクティングティーチャーという演技指導の専門資格を持っています。
伝え方・育て方を理論的に学び、
どうすれば“できるようになるか”を構造的に教えられる人です。
こういう人たちは、
「合格ライン=正解」ではないことを理解した上で、
どの方向性がその人に合っていて、どこが評価されやすいかを言葉で伝えることができる。
感覚だけに頼らず、経験や知識に基づいた判断ができる人から学ぶのは、
自分の可能性を引き出すためにもとても大事だと感じています。
AIは“平均”を目指す。だから、個性は削られてしまう
AIは大量のデータから“最も一般的な形”に整えることは得意です。
でも、芝居は“平均”では響かない。
ちょっとしたクセや違和感が“その人らしさ”になって、
そこにしかない魅力が生まれたりする。
AIに判断を任せていると、
その“ズレ”や“個性”が「直すべきエラー」として扱われてしまうかもしれません。
自分の演技を判断するために、“耳”を育てる
今、まだプロのレッスンが受けられない人にとって、
まず取り組んでほしいのは、自分の“耳”を育てること。
これは、演技を深めていくための土台になります。
そして、耳だけじゃなく、五感すべてを意識して育てていくことも大切です。
演技は“感覚”の芸術だから。
具体的には、こういった問いを自分に投げかけてみてほしい。
- 内容が伝わりやすくなるには、どこをどう立てて読んだらいい?
- プロと比べて、自分のどの行が滑舌が甘く聞こえる?
- プロと同じセリフを読んでみた時、何が違って聞こえる?
自分で感じて、考えて、またやってみる。
この“試行錯誤”こそが、演技において本当に大事なプロセスです。
“試行錯誤する”
この過程は、AIにはできないものの一つです。
この「聞き分ける力」を持つためには、
何度もトライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ判断力をつけていくしかありません。
やってみたこと自体は素晴らしい。でも、芝居の判断は別
AIを活用しようとしたこと、試してみたこと自体は、すごく価値があることだと思います。
自分なりに考えて動くことは、どんな分野でも大切だから。
ただ、演技の“評価”や“良し悪しの判断”をAIに任せるのは、根本的にずれてしまう。
AIは補助的に使える部分もあるけれど、
芝居の本質的な部分――
感情のやり取りや心の動きは、人間にしかわからない。
だから私はこう思っています。
AIではなく、“自分の耳”を信じて、育てていってほしい。
それが、あなたの演技を深めてくれる一番の近道だから。
最後に:演技は“耳”で育つ。そして判断は人間のもの
演技の評価って、言葉じゃ測れないものが多い。
その場の空気、感情の温度、相手との関係性。
そういう“目に見えないもの”を、ちゃんと感じ取れる感覚を持っていることが、
結局いちばん大切なんだと思います。
演技は技術じゃなく、伝わるかどうか。
そしてそれを“判断する”のは、人間にしかできないことです。
AIは「判断する存在」じゃない。“思考を深める壁打ち”として使っていく
最近よく思うのは、
AIに演技を評価させること自体に無理があるだけでなく、
AIに「判断」そのものを任せるべきではない、ということ。
AIは、あくまで過去のパターンや情報を元に「こういう可能性がありますよ」と示すだけ。
芯のある判断や、価値の選択、責任ある決断は、人間にしかできません。
でもだからこそ、
AIは“壁打ち”として、自分の考えを深める相手にはなれる。
- 自分の中でまだ整理できていないことを投げかける
- 視点を広げるヒントをもらう
- 言語化するために補助してもらう
そんな使い方なら、AIはとても頼れる存在だと思っています。
AIの役割はあくまで“補助”であって、
本当に価値ある判断は、あなた自身にしかできない。
もし「自分の演技をもっと深めたい」「ちゃんと見てもらえる環境で学びたい」と感じたら、
ONE to ONEスクールの体験レッスンにぜひ来てみてください。
実際の指導を受けながら、自分の“今の実力”と“これから伸ばせる力”
そして“あなたの個性”を確かめてみましょう。
初めての方でも安心して受けられるレッスンです。
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